書籍『成熟力「45歳から」を悔いなく生きるリスタート!』
厚生労働省の「平成22年 都道府県別生命表の概況」によると、全国の男性平均寿命は79・59歳、女性の平均寿命は86・35歳で、どちらも前回調査より長生きになっています。「人生80年」時代を迎え、40~45歳が折り返し地点にあたります。私は人生を大きく、出生から30歳まで、30〜45歳、45〜60歳、60〜75歳、75以降、に分けて考えています。
なかでも45歳までと45歳以降は、大きく違うと思うのです。
若い間は、生活の土台を築くために、仕事を見つけて食べていくとか、あるいは結婚して次の世代を育てるという課題がありました。30〜45歳は仕事で一番、あぶらが乗る一方で、子育てにも追われます。ところが45歳くらいになると、明らかに「ひと山、越えた」感じになり、人生が若い頃のように加速していないと実感するのです。
現代の45歳以降は、昔と比べて外見も精神も若い人が多くなり、ちょっとした考えの持ち方しだいで、単に「トシをとる」のか、ワインやウイスキーのような、エイジング(熟成)と周囲から認められるような年齢の重ね方をするのか、大きく変わってくると思うのです。45歳以降は、ゆとりができるとも言えます。多少はできるゆとりを踏まえ、残り約半分の人生をいかに楽しく健やかに、後悔なく過ごすことができるか――。
本書では、45歳以降を「成熟世代」と名づけて、人生を終点まで悔いなく生きるための、実践的なアドバイスや心構えを提案していきます。
書籍『成熟力「45歳から」を悔いなく生きるリスタート!』内容
第1章 45歳から人生を仕切り直すことができる
1▼ 「自分流」を貫つらぬいていい
- 経済中心の生活から解き放たれる
- 「生きている喜び」を感じるとき
- 過去と和解し、悟りの境地に
- 自分のスタイルを持つということ
- 居心地がいい場所を見つける
2▼ 一生シングルか結婚か
- 40代の一人暮らしは特別ではない
- 制度にとらわれないフランス流の事実婚
- 加点方式で長所を見つけよう
- 雑談力を磨いて相手をひきつける
- 人生は雑談でできている
3▼ ここまで幸せになれる交流関係
- さまざまな頻度で会う友だちを持つ
- 40代から盛んになるクラス会
- 付き合いが長いほど安心感が持てる
第2章 45歳から趣味やブログを始める方法
4▼ 「小学生」に戻って新しいことに挑む
- 新しい「発見」はどこにあるか
- 「成功体験」が「軽やかさ」を奪う
- 新しい分野に小学生のつもりで挑む
- 練習とは与えられた課題に挑むこと
- エネルギーを発散させる趣味を
5▼ 趣味は続かなくていい
- 新しい趣味を見つけるには
- 「続かなくていい」と軽い気持ちで始める
- 「かじる」だけで世界は広がる
- 「男は黙って」の時代ではない
- 好きな趣味「三本柱」をつくる
6▼ 45歳からのメールとブログ
- 上手なメールの間隔を見つける
- メールで情報交換するときの心掛け
- プラスの情報交換で関係が活性化
- 45歳からのスマホ活用術
第3章 お金・介護・家・起業 45歳からのハードルを越える
7▼ 45歳からの上手なお金の使い方・増やし方
- 上手に使ってこそ、お金は生きる
- 応援する人に投票する感覚でお金を使う
- ホームパーティと宴会のすすめ
- 資産運用の基本は元本保証
- コツコツ貯めるのは、日本人の知恵
8▼ 超高齢社会、親の介護をどうするか
- ケアかお金か、役割分担する
- お金に余裕がある親の場合
- もめがちな遺産相続をどうするか
- 「超」がつく少子化と高齢化
- 親と別れることへの心構え
9▼ 45歳から家を買うときの注意点
- 失敗しない家の買い方
- まずロケーションで絞り込む
- 長期ローンが難しい時代になった
- 「家」より「住まい」という考え方
10▼ 45歳からの起業はワザを生かして堅実に
- 最小限のリスク、最大限の経験値
第4章 「美」と「芸」でここまで豊かになれる
11▼ 仕事や育児がひと段落したら
- 「美」に目を向けてみよう
- 身近な名曲だけで世界を深める
- 天才音楽家のパワーは理解しやすい
- 寝る人も起こす玉三郎さんの迫力
- 一流に触れて自分を磨く
12▼ 「神が宿る」感覚に打たれる
- 舞台に命を懸けるエネルギー
- 役者のオーラはキリストに通じる
- スターは観客一人一人とつながる
- スーパーサイヤ人モードに入るとき
- 「真善美」によって新たな高みに
13▼ 映画でいつでも異空間を体験する
- 映画に学ぶ、素敵な加齢
- 年齢を重ねて輝いたイーストウッド
第5章 45歳から「健康力」を上げる方法
14▼ 自分に合った健康法を一つ、見つけよう
- 45歳から健康力を上げる
- 簡単な一つのことを続けよう
- 自分に合う健康食品を摂り続ける
- 食べ物より大事な睡眠
- 夜型は本当に健康に悪いのか
15▼ 呼吸を整えると心身が安定する
- 呼吸でバランスのとれた心をつくる
- 野口整体と野口体操で身体をほぐす
- 他者と身体で響き合う竹内理論
- 身体の「機嫌」は20秒で変わる
- 机に向かう合間に身体をほぐす
16▼ 日本古来の文化と身体論
- 畳とあぐらが日本人の基礎
- 剣術修行が精神と身体の軸に
- 身体の上に精神が載る日本文化
著者プロフィール
齋藤 孝(さいとう・たかし)
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大大学院教育学研究科博士課程などを経て、現在、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社)をはじめ、『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)、『結局、仕事は「言い方」しだい』 (角川学芸出版)、『人はチームで磨かれる』(日本経済新聞出版社)、『1分で大切なことを伝える技術』(PHP研究所)など多数。NHK Eテレ『にほんごであそぼ』総合指導。TBSテレビ『情報7days ニュースキャスター』にコメンテーターとして出演中。